嵐のトンガ開催 新たな歴史

ラグビー

2024スーパーラグビー・パシフィック第11節は6試合が行われました。スーパーラグビーの試合としては初めてトンガで行われたモアナ・パシフィカとハイランダーズの試合は大雨の中での開催となり、ハイランダーズが28ー17で逆転勝ちしました。モアナは敗れましたが、観客は大盛り上がりでした。

ハイランダーズ、モアナに逆転勝ち

トンガは11カ国目のスーパーラグビー開催国となりました。試合開始前にハイランダーズがハカを、モアナがアラ・マイをそれぞれ披露。激しい雨が降り注ぐ中、1万人以上の観客が詰めかけて盛り上がる中、キックオフとなります。

序盤はモアナのペースで試合が進みます。開始早々にスクラムでペナルティを獲得すると、ラインアウトからNo8ロトゥ・イニシがゲインし、PRアブラハム・ポレが先制のトライ。その後もスクラムで優位に立ち、この日はフルバックに入ったトンガ代表SOのウィリアム・ハヴィリのPGなどで加点します。その後逆転されますが、25分にはハヴィリのトライとコンバージョンでくらえ付きます。

しかし、ハイランダーズはさらにFBジェイコブ・ラトゥマイタヴキ=ニープケンスがこの日2本目となるトライを挙げ、前半は19ー17のハイランダーズリードで折り返します。後半は両チームノートライで、ハイランダーズがPGを3本追加して試合終了となりました。

故郷に錦を飾る形となった選手も多かったモアナは後半、それまでペースをつくることに貢献したスクラムで勝てなくなったことが響きました。しかし、水しぶきが上がるような雨の中にもかかわらず、ハンドリングエラーも飛びぬけて多かったというわけでもなく、エキサイティングがゲームとなりました。

観客も中高生ら若い人が多く、盛り上がって水たまりに飛び込むなど楽しんだ様子でした。残念ながらホームのモアナは敗れてしまいましたが、ハイランダーズのジャージを着てSHフォラウ・ファカタヴァやPRサウラ・マウらゆかりのある選手を応援する人も目立ちました。昨シーズンはサモアでも試合を行っています。スタジアムの設備や暑さなど課題は多いようですが、スーパーラグビーにはモアナだけでなく各チームにゆかりのある選手が所属しているので、このようなパシフィカでの試合を何とか続けてほしいと思います。このような試みは、同じくゆかりのある選手が多い日本のリーグワンにとっても参考になるのではないでしょうか。

チーフス、フォースの力で圧倒

一方、チーフスがホームのハミルトンにフォースを迎えた一戦は、序盤からチーフスが圧倒します。WTBダニエル・ロナのハットトリックなど9トライの猛攻でほぼ一方的な試合となり、56ー7でフルタイムとなりました。

こうなると、選手たちには申し訳ないのですが、関心はむしろ「May the force (fourth) be with you」の5月4日、スターウォーズ・デーのイベントの方に移ってしまいました。ハーフタイムでは、ライトセイバーなどを使ったショーが行われていましたが、テレビ中継ではリプレイ映像などが入ってなかなか全体像が分からないのが残念でした。チームは来場する観客にスターウォーズのコスプレを呼びかけていましたが、中継を見る限り、ダース・モールのフェイスペイントをしている人が少し映ったくらいでした。もちろん正確な理由はよく分かりませんが、キーウィはシャイだと言われているので、コスプレはあまり流行らないのかもしれません。

クルセイダーズ、連勝ならず

その他の試合では、前節レベルズに完勝して今季2勝目を挙げていたクルセイダーズはホームでレッズに28ー33で競り負け、波に乗れませんでした。もはやこういう記録では何も驚かなくなりましたが、レッズがクライストチャーチで勝ったのは1999年以来だそうです。

ハリケーンズ、ブルーズはともに勝って1位、2位は変わらず。両チームは次節、オークランドのイーデンパークで雌雄を決することになりますが、今節のレベルズ戦で重度のヘッドノックで途中交代となったブルーズのCTBリーコ・イオアネの状態が心配です。

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