疲労蓄積か 好調も一歩及ばず

オールブラックス対フランス、29対30 ラグビー

ラグビーのニュージーランド代表オールブラックス(AB)は11月16日(NZ時間17日)にパリのスタッド・ド・フランスでフランス代表に激闘の末、29ー30で敗れました。前半はリードして終えたものの、疲労も見えた後半に逆転される結果となりました。ABは前週のアイルランド戦の勝利を受けて欧州遠征全勝も見据えていましたが果たせず、対フランス3連敗となりました。

ラカイ、序盤から交代出場

会場のスタッド・ド・フランスは、両チームの前回対戦となった昨年のワールドカップ開幕戦と同じ会場。ABはその雪辱を誓い、ハカをHOコーディ・テイラー(クルセイダーズ)とCTBリーコ・イオアネ(ブルーズ)の2人がリードするなど、かなり気合を入れて試合に臨みました。

しかし試合開始早々、アクシデントに見舞われます。1分にこの試合、6番で先発出場していたFLサミペニ・フィナウ(チーフス)がフランスのPRテビタ・タタフの膝を頭部に受け、HIAを受けることになります。このため、控えに入っていた若手のピーター・ラカイ(ハリケーンズ)が代わりに投入されます。

この試合はアイルランド戦の後半に続いて7番アーディ・サヴェア(モアナパシフィカ)、8番ウォレス・シティティ(チーフス)という布陣で臨んでいたため、オープンサイドが本職のラカイが入ったことでフォーメーション入れ替えの可能性もありましたが、ラカイはそのままフィナウがいたブラインドサイドに入ることになりました。

前半2トライ、7点リード

試合はフランスが6分にSOトマ・ラモスが50メートル以上のPGを決めて先制します。しかし、ABは直後の8分、サヴェアが持ち込んだボールを受けたラカイが代表初トライを挙げ、逆転に成功します。さらに26分にはフランスボールのスクラムの後のオフロードパスをインターセプトしたSHキャム・ロイガード(ハリケーンズ)がインゴールに持ち込み、コンバージョンも決まって14ー3とリードを広げます。

フランスは32分に1トライを返しますが、ABはさらにPGを1本決めて17ー10の7点リードで前半を終えます。ただ、36分には今度はCTBジョーディ・バレットが足の負傷で交代するアクシデントに見舞われます。

後半早々に逆転許す

前半の終盤は疲れも見えていたフランスでしたが、後半に入ると勢いを増します。43分にラインアウトからの素早いモールドライブでトライを挙げ、コンバージョンで17ー17の同点とします。

さらに50分にはABのオフロードパスのこぼれ球を拾ったラモスがキックしたボールを快速ウィングのルイ・ビエル=ビアレがグラウンディング。ラモスのコンバージョンも決まって17ー24で7点リードとします。

その後はPGの応酬となり、ABは52分から交代出場したFBダミアン・マッケンジー(チーフス)が3本のPGを決めて67分に26ー27の1点差とします。しかし、72分に1PGを返されて4点差となります。

マッケンジーは74分にも再びPGを決めて29ー30の1点差に追いすがりましたが、粘りもここまで。昨年のワールドカップの雪辱を果たすことはできませんでした。

レフェリーイングに不満も

さて、どっちに転んでもおかしくない1点差という結果だったうえに、特に前半はABが再三のサインアウトスチールなどセットプレーで優位に立って優勢に試合を進めたことから、敗因を挙げるのは難しい試合となりました。試合の実況やメディアは、キックオフを受ける際にテイラーがとられたオブストラクションや、結果的に決勝点となったフランスの最後のPGにつながったPRオファ・トゥウンガファシ(ブルーズ)のネックロールなど、レフェリーイングへの不満を明らかにしています。

ただ、ホームの大歓声を受けたフランスのディフェンスと粘りは相当なものがありましたし、トライカウントもAB二つに対してフランス三つと負けていたことも確かです。

連戦のシティティら勢いに陰り

また、ABは後半に入ると明らかに勢いが落ちました。この点もベンチのインパクト要員だったラカイとCTBアントン・レイナート=ブラウン(チーフス)を前半から投入せざるを得なかった不運があったとはいえ、選手たちには「史上最も厳しい日程」と言われている欧州遠征の疲れも出ていたように見えました。

特に、若手の有望株とはいえ、ここのところ出ずっぱりとなっているシティティはこれまでの試合のようなキレがなかったように思えました。ただし、この試合のフォワード第3列の布陣はかなり機能していたことは確かです。特にNo8より負担が少ないからか、サヴェアの縦横無尽の活躍には目を見張るものがありました。

この欧州遠征と今季のテストマッチの最終戦は次週のイタリア代表戦となります。格下と言っていい相手ですから、メンバーの入れ替えがかなりあるのではないかと思います。ただ、フォワードのバックローはけが人が相次ぎ、フィナウも脳震盪の診断を受ける可能性が高いでしょうから、アイルランド戦で脳震盪となったFLサム・ケインが帰ってくるとはいえ、シティティが休めるかどうかは微妙なような気がします。

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