セールGPシーズン４第10戦、バーミューダ大会は５月５日（ニュージーランド時間６日）、２日目のレースが行われました。上位３チームによる決勝レースには、チームNZ「ブラックフォイルズ」とオーストラリア、スペインが進みましたが、ブラックフォイルズは２位で、クライストチャーチ大会に続く連勝はなりませんでした。優勝は積極的なセーリングを見せたスペインでした。
バーミューダは前日に続き快晴に恵まれましたが、風は時速17キロと前日に比べてやや弱く、残った２回のフリートレースは７レグから５レグに短縮されました。練習ラウンド中に横転したアメリカはこの日も破損したウィングの修理が間に合わず、参加を見送ったため、計９チームでのレースとなりました。初日の３レース終了時点での大会順位は、①オーストラリア（28ポイント）②カナダ（23）③デンマーク（22）。ブラックフォイルズはデンマークと同じ22ポイントでしたが、レース順位に基づき４位となっていました。
第４レーススタートでペナルティ
ブラックフォイルズは初日に苦戦したスタートの改善がカギとなっていましたが、この日最初の第４レースではフランスとともにアーリースタートでペナルティを受け、最後方からのスタートとなってしまいます。高速で最高のスタートを切ったのは、スイス。さらにスペインとドイツが続きます。ドイツはその後、操船ミスで脱落しますが、スイスはそのまま１位でフィニッシュ。スイスのフリートレース勝利は今季２回目で、かつてチーム日本のドライバーを務めたネイサン・アウターリッジがドライバーに就任してから初めての勝利となりました。２位はカナダ、３位はスペインでした。
ブラックフォイルズは初日もスタートで出遅れながらも安定した操船とコース取りで追い上げを見せていましたが、この日はコース短縮もあり、さほど追い上げができず、６位に終わります。その結果、大会ポイントは①カナダ32②オーストラリア31③デンマーク29ーーとなり、スペインとNZが27ポイントで並びます。決勝レース進出の行方は混沌とし、特にブラックフォイルズは最終第５レースで失敗が許されなくなります。
第５レース制し、決勝レースへ
その第５レース、ブラックフォイルズは大会通じて始めて好スタートを切り、第１マークをスペイン、デンマークに次ぐ３位で回ります。ところが、第２ゲート手前でジャイブの判断が遅れるという珍しいミスを犯します。オーストラリアやドイツに抜かれ、一時は８位まで順位が落ちます。しかし、続く第３レグで風向きの変化をうまくとらえて驚異的な追い上げ。第３ゲートを１位で通過すると、そのままトップでフィニッシュします。オーストラリアが２位、フランス３位、スペイン４位でした。
その結果、オーストラリア（40ポイント）、NZ（37）、スペイン（34）が決勝レースに進出。第４レース終了時点でリーダーだったカナダは、第５レースはまさかの最下位９位に沈みました。スペインと同じ34ポイントとなりますが、スペインが直前のレースで先行したために決勝レースを逃します。
マッチレース状態になるも及ばず
７レグで行われた決勝レースでは、スペインが有利となっていたスタートラインの風下側に高速で切れ込み、好スタートを見せ、ブラックフォイルズとオーストラリアが追う展開となります。ブラックフォイルズは第３レグで一時トップに立つなど、途中からスペインとマッチレース状態になります。しかし、スペインは第５ゲート手前でブラックフォイルズを追加のタックに追い込むことに成功してリードを奪うと、そのままゴール。スペインは第２戦ロサンゼルス大会以来の勝利となりました。NZが２位、第１レース途中で棄権となったクライストチャーチ大会からの巻き返しを狙ったオーストラリアは３位でした。
大会の結果、総合順位は首位NZ（77ポイント）と２位オーストラリア（67）との差が10ポイントに広がりました。また、優勝した３位スペインが65ポイントとして、いずれも56ポイントの４位デンマークと５位フランスとの差を広げ、上位３艇によるグランドファイナルのサンフランシスコ大会出場に近づきました。
それでも、まだ通常の大会が２戦残っているので、クライストチャーチ大会で８ポイントのペナルティを受けたオーストラリアや今大会で決勝レースを逃したカナダのように、何が起こるか分かりません。次戦は６月１、２日にカナダで行われるハリファックス大会です。
