移民とF1とジャーナリズム

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ニュージーランドで気になったニュースをポツポツX(旧ツイッター)で投稿しているのですが、Xだと文字制限もあって欠き足りない部分もあるので、今週から特に気になったニュースを3本ずつ個人的な感想も交えながらまとめてみたいと思います。初回は4月6日(土)~12日(金)のニュースから選びました。

就労ビザに英語テスト導入

一つ目のニュースは日曜日の8日にNZ政府が突然発表した就労ビザの見直しです。これは「Accredited Employer Work Visa」という登録事業者のもとで就労することを条件に発給されるビザで、もともとはポスト・コロナの人手不足を補うために導入されたものです。しかし、「借金をして来てみたら仕事がないと言われた」などのトラブルが相次ぎ、政府が見直しに着手していました。

その見直しの最大のポイントは非英語圏からの就労者は英語テストIELTSの受験が求められるようになったことです。移民の搾取が問題になっていたのに、なぜ移民の側にテストを求めるのかという当然の疑問が湧きますが、移民担当大臣は「法律を理解し、雇用主の問題点を訴えやすくするため」という本末転倒な感じのする説明をしました。

IELTSのポイントは4.0と、永住権に必要な6.5よりはだいぶ低いですが、移民にとっては負担になるのは確かです。政府はコロナ明けで急増した移民の数について「サステナブルでない」と言っているので、これを機に移民の数を減らしたいのは明らかですが、事業者のニーズを前提としたビザに制限をかけるという政策にはやはり本末転倒な印象があります。

クラッシュで俄然注目高まる

二つ目はF1日本グランプリでのRBダニエル・リカルドのクラッシュです。これ自体はNZに関係ないのですが、レッドブルとRBの控えドライバーを務めるNZ人のリアム・ローソンの去就にかかわるだけに、NZでもかなり注目されました。

22歳のローソンは昨季、当時のアルファタウリで参戦していたリカルドのけがで急遽F1に呼ばれました。5戦を走ってシンガポールGPで10位に入ってポイントを獲得するなど活躍し、脚光を浴びました。RBになった今季は角田裕毅の調子が比較的いい一方で、リカルドは不調でポイントが取れていません。

このため、ローソンの正ドライバー昇格に期待が俄然高まっています。レース前にはヴェルブリッツでプレーするオールブラックスのボーデン・バレットとアーロン・スミスも訪問していました。リカルドの扱いは21日の中国グランプリがヤマ場とも言われていますので、目が離せません。

テレビの報道部門縮小、関心低く

最後は、世間的にはあまり関心が高まっていないようですが、テレビ局の報道部門の縮小です。「スリー(その名の通り3チャンネルです)」という民放の報道部門だった「ニュースハブ」が7月5日をもって閉鎖され、ナショナルテレビのTVNZも消費者問題の「フェア・ゴー」と調査報道の「サンデー」のほか、昼と深夜のニュース枠を廃止します。

いずれも既に話は出ていたのですが、これらが今週、確定したとのことです。衝撃的だったのはNZのジャーナリストの数の減り方で、2007年の4000人から、今年7月6日以降は半分以下の1500人未満になるそうです。人口比にすると、国民1000人に1人から、移民の増加で人口が増えていることもあり、3500人に1人になるとのことでした。

両局とも理由は広告収入の減少としています(TVNZも基本的に広告で運営されています)。影響は他にも及んでいて、7700回以上も続くとされる名物メロドラマ「ショートランド・ストリート」も危機的な状況にあるそうです。

人員削減のために部門をやめていっているわけですが、日本だったらまず人員を減らして、残った社員で無理やり部門を存続させようとする企業も多いのではないかという気がしました。どちらの方がいいのかは一概には言えませんが、そういった面でも考えさせられました。

にきお

50歳(ちょっと手前)の2023年2月からニュージーランドのオークランドで生活しています。大好きなラグビーとセーリングの話題のほか、気になったニュースなどおじさんが見たキーウィ生活のリアルをお届けしています。
X: @Nikki_de_Loup

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