ラグビーのニュージーランド代表、オールブラックス(AB)は7月19日(NZ時間20日)、アメリカのサンディエゴでフィジーとテストマッチを行い、47ー5で完勝しました。前週のイングランド戦からメンバー11人を入れ替えて臨んだオールブラックスでしたが、新たにデビューした6人が躍動する清々しい勝利となりました。
米サンディエゴに観客3万2000人超
サンディエゴのスナップドラゴン・スタジアムには3万2000人以上の観客が詰め掛けました。かつては「ラグビー不毛の地」と呼ばれていたアメリカも2018年に始まったメジャーリーグ・ラグビーがある程度定着し、2031年に男子の、2033年に女子のワールドカップを開催するまでになっていますので、今やラグビー熱もあるようです。また、夕方からの試合で、さほど暑くなく、グラウンドのコンディションも悪くなかったようです。
試合は序盤からABが優位に進め、8分にバックスのパス回しからWTBケイレブ・クラーク(ブルーズ)が先制トライを挙げると、4分後に前週のイングランド戦でデビューし、この試合が初先発だったSHコルテス・ラティマ(チーフス)が続き、早々に14ー0とします。ABはさらに先発でデビューしたCTBビリー・プロクター(ハリケーンズ)や交代でデビューしたHOジョージ・ベル(クルセイダーズ)らを含め、計7トライを挙げた一方、フィジーの反撃を前半の1トライに抑えました。
プロクター、シティティら持ち味発揮
この日のABで光ったのは、何と言っても新人選手6人の活躍でした。特に唯一の先発だったプロクターはトライを挙げただけでなく、12番で先発したアントン・レイナート=ブラウン(チーフス)とのコンビネーションも抜群で、随所で効果的なボールキャリーやパス回しを見せていました。NZヘラルドがレーティングで、出場選手で最高の8点をつけたのも納得でした。また、後半の55分にアーディ・サヴェア(ハリケーンズ)に代わってNo8に入ったウォレス・シティティ(チーフス)も力強いボールキャリーや献身的なフォローをしていました。
さらに追加招集を経てデビューした2人も存在感を示しました。SHノア・ホッサム(クルセイダーズ)は、前半の35分にHIAを受けることになったラティマに代わって急遽の初登場となりましたが、落ち着いてゲームに入ったうえ、ラックサイドからのランプレーなどで持ち味も発揮しました。59分から出場のLOサム・デアリ―(ブルーズ)も自陣ゴール前のジャッカルでペナルティを取ったほか、パスワークで器用さも見せていました。
言うまでもないことですが、特にディフェンスでのフィジーのプレッシャーは、イングランドの前がかりとは比べ物になりませんでした。イングランド戦では散々だったラインアウトは改善したものの、これもフィジーにはイングランドのLOマロ・イトジェのような迫力のある選手がいなかったからだとも言えます。また、フィジーに許したトライはSOイサイア・アームストロング=ラヴラのキックパスによるものでした。これは前週イングランドのSOマーカス・スミスに2回決められたものと同様の形で、ディフェンス面で課題を残したとも言えます。
しかし、それでもチャンスを与えられた若い選手が躍動したことは、ABの今後にとって好材料だったことは間違いありません。スコット・ロバートソンHCも試合後、「皆(ABに)選ばれた理由を身をもって示してくれた」と満足そうでした。
チャンピオンシップに向け、編成に注目
今回のABはこれでいったんお役御免となり、8月10日のアルゼンチン戦から始まる南半球4カ国対抗戦「ザ・ラグビーチャンピオンシップ」に向けて仕切り直しとなります。今回の試合を受けて若い選手が「一本目」のチームに入ってくることが予想されます。さらにケガで離脱していたWTB/FBウィル・ジョーダン(クルセイダーズ)、FLサム・ケイン(チーフス)といった大物も復帰する予定です。
大きな注目点は、フォワード第3列とセンターの編成になると思います。また、イングランドとの第2戦では途中出場で強烈なインパクトを残し、この日は15番で先発したボーデン・バレットがどうなるのかも見どころです。


