今週(5月18~24日)のニュージーランドで気になったニュース3本は、クルセイダーズのロブ・ペニーHCの失言、オークランドの新スタジアム売り込み合戦、バスケットボールのブレイカーズのHC退任です。
HCに必要なペイシェンス
スーパーラグビーについては毎週他の記事でも書いているのですが、このニュースはここでも取り上げざるを得ない気がしました。クルセイダーズのロブ・ペニーHCがメディア対応後に放送禁止用語を使って記者に言及したというものです。チームのCEOが謝罪する事態に発展しました。
今週のメンバー発表の場で、自身の責任や進退などについてテレビ局の記者から追及されたことに腹を立てて、チームの関係者につぶやいた言葉がマイクに拾われたそうです。発言自体にはテレビのニュースでも「ピー」が入っていましたが、記事中の綴りから想像するに、昨年のワールドカップのイングランド・南ア戦後に騒動となった言葉の後半部分と同じ言葉だと思われます。
言うなれば私的な会話ですし、痛いところを突かれて腹が立つ気持ちも分からないではないですが、ラグビーでよく言うところの「ペイシェンス(我慢)」がないところをトップが見せてはいけないと思います。先週のブランビーズ戦ではペナルティトライで敗れ、こちらのポッドキャストでは「いろんな負け方を次々見せてくれる」と揶揄されていました。本日のブルーズ戦では何とかペイシェンスを発揮してほしいと思います。
新スタジアムの持続可能性は
次のニュースは、最大都市オークランドで検討されている新スタジアムに絡み、海に面した「ウィンヤード・ポイント」に建設する案が公表されたというニュースです。この案は、NZラグビーの聖地とも言えるイーデンパークの改修を含めた4案の一つで、近くこの中から選定作業が行われるそうです。
このウィンヤード・ポイントは、かつて石油の備蓄基地などがあった広大な敷地で、今はアメリカズカップのチームNZの基地などがあります。計画では、ここに5万5000人収容のスタジアムとセールGPの観戦などに使える屋外観客席も設ける夢のような構想となっています。確かにセールGPのオークランド開催が見送られたのは観客席の設置の見通しが立たなかったためと言われているので、トラブルになったセールGPのNZ開催にとっては朗報ではあるのですが、逆に言うとこのスタジアムが完成するまでオークランド開催の見通しが立たなくなってしまう気もします。
また、新スタジアムの提案合戦は投資合戦の様相も呈していて、ウィンヤード・ポイント案にはJPモルガンが、別の案にはゴールドマンサックスがついているそうです。問題は元が取れるかですが、これだけの規模のスタジアムを満員にできるのはNZ国内ではオールブラックスくらいでしょう。そのほか、屋根付きのコンサート会場は比較的小規模なスパークアリーナくらいしかないオークランドのコンサート会場としても想定されているようですが、「エラズ・ツアー」では来てくれなかったテイラー・スウィフトが何回か来ても建設・運営費の元を取るのは厳しいような気がします。
ブレイカーズHC、Bリーグへ転出
さて、最後はそのスパークアリーナを本拠地とするバスケットボールチーム、ブレイカーズのモディ・マオールHCが退任したというニュースです。
ブレイカーズはオーストラリアのバスケリーグNBLにNZから唯一参加しているチームです。NZではバスケも人気スポーツで、昨年は子どもの競技人口でラグビーを超えたなんていう驚きのニュースも報じられていました。ちなみに、NZではバスケの原形のような、ドリブルのないネットボールという競技も盛んで、女子の国内リーグが盛り上がっています。
マオールHCは2季にわたって指揮をとって、いずれもプレーオフ進出を果たしました。特に昨シーズンは準優勝に導き、契約を1年残しながら惜しまれつつの退任となりました。
報道によると、日本のBリーグの長崎ヴェルカのHCに就任するそうで、ラグビーに続き、バスケでも日本への人材流出となります。もっとも、マオールHCはキーウィではなく、ロサンゼルス出身で、イスラエルでの生活が長かったようですが。

