ヨットレースのセールGPのシーズン5第3戦、シドニー大会が2月8、9日に開かれました。地元オークランドで開かれた前回大会で決勝レース進出を逃したチームニュージーランド「ブラックフォイルズ」にとっては巻き返しを図った大会でしたが、初日の不調が響いて8位に終わりました。優勝は今季3大会連続で決勝レースに進出していたイギリスでした。
アメリカ、ダメージで出場できず
セールGPは双胴艇(カタマラン)のF50を使用する国別対抗戦で、フォイリングによる高速レースが醍醐味になっています。5シーズン目の今季は新たにブラジルとイタリアの2カ国が加わり、計12チームが計14大会で頂点を目指します。
今季第1、2戦は、船の準備が間に合わなかったフランスが出場できていなかったため、3戦目の今回大会でようやく12チームが揃う予定でした。しかし、アメリカ艇がシドニーでの練習中に横転してウィング(メインセール)にダメージを受けたために出場できず、今回も11チームによる大会となりました。
ピーター・バーリングが率いるチームNZは昨シーズン、圧倒的な強さでレギュラーシーズンを首位で終えたものの、サンフランシスコでの上位3艇による決勝レースではスペイン、オーストラリアに敗れて3位に終わりました。悲願の初優勝を狙う今季は初戦のドバイ大会で優勝を飾り、幸先よく地元オークランド大会を迎えました。
「帆の街(シティ・オブ・セイルズ)」との異名を持つオークランドで待望のセールGP初開催とあって、ブラックフォイルズに対するファンの期待も高まっていました。しかし、風が変わりやすい難しいコンディションとなる中で、安定した結果を出すことができず、惜しくも4位で決勝レース進出を果たせませんでした。しかも、大観衆の前で国を挙げての宿敵、オーストラリアに優勝されるという悔しい結果となりました。今回は逆にオーストラリアの地元となるため、チームNZにとっては捲土重来を帰す大会でした。
初日に2度の最下位
大会はオークランド大会と同じく、初日4回、2日目3回の計7回のフリートレースが組まれ、いずれも7レグで行われました。初日はレース開始前の風速は時速24キロと強く、湾内で風向きや強さが変わりやすい難しいコンディションとなりました。
ブラックフォイルズはいずれのレースでもいいスタートを切ることができませんでした。第1レースでは6位と中位でレースに入りましたが、得意の追い上げも見られず、順位を落として8位でゴール。第2レースも中位のスタートで7位に終わります。
第3レースもスタートは後方からでしたが、終盤に上位のチームが混戦となっている隙に4位に上がるチャンスが来ました。しかし、ここでも大規模なノーズダイブをして逆に失速し、最下位の11位に終わります。さらに続く第4レースも第2レグでオフフォイルとなって大きく出遅れ、2レース連続で最下位となってしまいました。
ブラックフォイルズは初日を終えて7ポイントしか獲得できず、総合9位と稀に見る不調。3位のフランスとは20ポイントの差がつき、決勝レース進出が早くも絶望的となりました。艇のトラブルも心配されましたが、バーリングはレース後、「自分たちのグルーヴを見つけるのに苦労している」と語っていました。
2日目復調、時すでに遅し
それでもブラックフォイルズは時速12キロと風が弱まった2日目に復調します。この日最初のレースとなった第5レースでは、スタートは後方からだったものの、ようやく得意の追い上げを見せて第3ゲートで一気に2位に上がると、そのままイギリスに続いて2位でフィニッシュします。
NZは続く第6レースでようやく今大会初めての会心のスタートを見せます。その後も激しい総合3位争いを展開していたカナダやデンマークを尻目にリードを広げ、このレースを制します。
しかし、最終第7レースでは再び後方からのスタートとなり、5位どまり。結局、大会総合では順位を一つ上げただけの8位に終わります。
優勝は「3度目の正直」イギリス
総合上位3艇による決勝レースには、地元でフリートレース3勝と強さを見せたオーストラリアと、2勝のイギリス、デンマークなどとの3位争いを制したカナダが進出しました。
スタートではオーストラリアとカナダの競り合いに乗じたイギリスが好スタート。オーストラリアはさらにマニューバリングでペナルティを受けて後退します。途中でカナダがリードを奪いますが、イギリスは第5レグでオーバーテークし、今季初優勝を飾りました。
イギリスは今季の3レースすべてで決勝レースに進出しており、「3度目の正直」となりました。また、今季からドライバーを務めている、アメリカズカップのイネオス・ブリタニアのポートサイド・ヘルマーだったディラン・フレッチャーにとって初優勝となりました。
総合首位となっているこのイギリス・フレッチャー艇などの好調や、調子が上がらず4位に後退したNZなどの要因で、例年以上の混戦模様となっている今季のセールGP。次戦は3月15、16日に開かれるロサンゼルス大会です。



