2024スーパーラグビー・パシフィックは3月29日、第6節が始まり、開幕5連敗を喫していたクルセイダーズがホームでチーフスを37ー26で降しました。けがなどで離脱者が相次いで苦しんだディフェンディングチャンピオンでしたが、ようやく今季1勝目をもぎ取りました。前季はレギュラーシーズン首位だったチーフスはこれで4勝2敗となりました。
私はこの試合は観ることができなかったのですが、ハイライトや試合後の報道などで振り返ってみたいと思います。
マッケンジー休養で波紋
両チームの前回対戦は今季の開幕戦。大荒れてとなった前季の決勝でも対戦していましたが、この開幕戦ではチーフスが33ー29で競り勝っていました。その後、連敗を続けたクルセイダーズと4勝1敗とまずまずの滑り出しを見せていたチーフス。今節はチーフスが司令塔で支柱のSOダミアン・マッケンジーを休養させると発表しました。チーフスのクレイトン・マクミランHCはクルセイダーズの不調とは関係ないと述べていましたが、世間をざわつかせました。
クルセイダーズはなかなか勝てなかったものの、言うまでもなくもともとは力のあるチームでなので、光明がなかったわけではありません。ブルーズの本拠地イーデンパークで10年ぶりに敗れた前節も、特にディフェンス面では随所に王者らしさを見せていました。ですから、下馬評では圧倒的にチーフス有利と出ていましたが、やや一方的な見方のような気もしていました。ただ、今節のキャプテンを任されていたSHミッチ・ドゥルモンドが体調不良で欠場することになり、また嫌な雰囲気も漂っていました。
元ウェールズ代表マクニコル躍動
試合は、開始直後のチーフスの攻撃をしのいだクルセイダーズが前半5分にFBチェイ・フィハキのトライで先制した後、終始リードを保ちます。特に光ったのは、今季スカーレッツから戻り、初先発となった元ウェールズ代表のWTBジョニー・マクニコルです。11分にチーム2本目のトライを挙げたほか、チーフスペースになりかけていた後半には62分に自陣でのインターセプトから60メートル以上を走り切り、突き放しました。
また、こちらの記事では、欠場したドゥルモンドに代わって出場したSHノア・ホッタムを高く評価しています。U20NZ代表のキャプテンだったそうで、この日の試合では二つのトライアシストを果たしたそうです。また、ハイライトを観た個人的な印象では、モアナ・パシフィカから移籍した期待のCTBレヴィ・アウムアがようやくチームで機能し始めているような気がしました。映像でもフィジカルを生かして突進してチャンスメークする姿が見られました。
クリスティ主将「自由になれた」
課題だったセットプレーでも、ライアンアウトの成功率は87%と、80%だったチーフスを上回り、スクラムでもチーフスに負けませんでした。最終的にキャプテンを務めたFLトム・クリスティは「自由になれた」として「束縛が解けて、やるべきことをやれば怖いチームだと示すことができた」と語りました。「先は長いが、正しい方向への第一歩です」とも述べました。
チーフスのマッケンジー休養の判断など釈然としない部分は無きにしも非ずですが、王者クルセイダーズがようやく初勝利を挙げたことは、何となく今季のスーパーラグビーが本格的に開幕したという気分にさせるものでした。私はクルセイダーズファンではありませんが、それでも何となく気分が高揚しました。ニュージーランドは今、イースター休暇中で、試合があった昨日は祝日のグッド・フライデーだったわけですが、クルセイダーズにとっては文字通り「いい金曜日」になったと実況でも言われていました。
クルセイダーズは次節は休みで、チーフスはホームにモアナ・パシフィカを迎えます。今節は本日30日、さらに二つのNZダービー戦、ブルーズ対モアナ・パシフィカ、ハリケーンズ対ハイランダーズの試合が行われる予定になっています。

