ブラックフォイルズ総合2位で最終戦へ

セールGPシーズン5第11戦カディス大会 セーリング

ヨットレースのセールGPシーズン5第11戦がスペイン・アンダルシア地方のカディスで10月4、5日に開催されました。軽風下の難しいレースが続いて順位変動の激しい大会となりましたが、チームニュージーランド「ブラックフォイルズ」は決勝レースに進出して2位に入りました。これで11月の今シーズン最終戦のアブダビ大会を総合2位で迎えることになりました。優勝はイギリスでした。

今季のブラックフォイルズは大会ごとに調子の波が大きくなっています。サントロペ大会(フランス)で首位を奪還して迎えた前回ジュネーブ大会(スイス)で最悪タイの8位に終わり、総合順位も3位に後退していました。シーズンも残り2戦となり、今大会は悲願の初優勝を狙うブラックフォイルズにとって上位3艇によるグランドファイナル進出に向けて重要な大会となりました。

初日は微風下の混戦に

大会初日は、風速が時速8〜14キロという微風になりました。これに対応するため、各艇のクルーは4人となり、軽風用のTフォイルとラダーが使用されました。全レースとも6レグで行われ、12艇が参加しました。

第1レースでは、各艇フォイリングでスタートしましたが、ブラックフォイルズはデンマークに追い出される形で出遅れてしまいます。第2レグではオーストラリアとのニアミスがあり、オーストラリアにペナルティが課されたものの、NZは9位に後退。さらに第5レグでの操船ミスによりオフフォイルとなり、まさかの11位に終わりました。このレースはイギリスが制し、スイスが2位、アメリカが3位でした。

しかし、ブラックフォイルズは続く第2レースではまずまずのスタートを切り、第2ゲートを2位で通過。フィニッシュでもデンマークに次ぐ2位に入りました。3位は第1レースで最下位だった地元スペインでした。

ブラックフォイルズは第3レースで絶好のスタートを切り、第1マークを首位で通過しました。ところが第2レグの途中で操船ミスからオフフォイルとなり、一時7位まで後退してしまいました。途中から再びフォイリングに成功するものの、6位でのフィニッシュとなりました。このレースはオーストラリアが1位、デンマークが2位、最終レグでスイスをかわしたドイツが3位でした。

初日最終の第4レースでは横一線でのスタートから、ブラックフォイルズは3位に入りました。デンマークが1位、イギリスが2位でした。ブラックフォイルズにとって浮き沈みが激しい一日となりましたが、何とか4位のドイツと同じ22ポイントで3位につけました。首位はデンマーク(32ポイント)、イギリスが31ポイントで2位となりました。

激戦を制し3位で決勝進出

第2日もフリートレースがさらに3レース行われました。風速は時速11〜20キロと初日よりやや強まり、クルーは1人増えて5人体制となりました。

第5レースで、ブラックフォイルズは中央から絶好のスタートを切り、第1マークを首位で周回しました。しかし、風下に向かう第4レグで地元スペインにオーバーテイクを許し、スペインが地元での今大会初勝利を飾りました。ブラックフォイルズは2位、オーストラリアが3位でした。

続く第6レースでは、フランスが好スタートから1位、ドイツが2位でフィニッシュしました。ブラックフォイルズは4位で周回していましたが、最終マークでイギリスをかわして3位に入りました。この時点でフリートレースを1レース残し、ブラックフォイルズは39ポイントでイギリス、デンマークに続く3位につけていましたが、4位のドイツとの差はわずか1ポイントという緊迫した状況となりました。

第7レースは決勝進出をかけたブラックフォイルズとデンマークの争いとなりました。ブラックフォイルズはスタートでライバルのドイツに先行を許し、7位でレースを進めましたが、上位にいたデンマークが第5レグでオフフォイルとなり脱落。ブラックフォイルズは8位でのフィニッシュでしたが、1ポイント差でデンマークをかわし、上位でレースを終えたイギリスとドイツとともに決勝レースへの進出を決めました。なお、このレースでは今季から参戦しているブラジルが2度目のフリートレース勝利を飾っています。

決勝はイギリスとの激戦で2位

決勝レースでは、ブラックフォイルズは好スタートを切ったものの、第1レグで後続のドイツを追い出しにかかっていた隙にバウンダリーペナルティを犯して出遅れていたイギリスの接近を許します。第2ゲートはブラックフォイルズが首位で周回しましたが、2位のイギリスと3位のドイツは逆方向の左側海面に出て、これが功を奏し、イギリスは第3レグでブラックフォイルズをオーバーテイクしました。

ブラックフォイルズは第4レグで再びリードを奪い返し、第4ゲートは僅差ながらも先行しました。しかし、最終マークの周回でイギリスが強引に内側に入り込むことに成功し、ブラックフォイルズをかわして優勝を飾りました。ブラックフォイルズは猛追するドイツを何とか抑え、2位でフィニッシュしました。

この結果、シーズン総合順位は、イギリスが85ポイントで首位、ブラックフォイルズが82ポイントで2位、オーストラリアが80ポイントで3位となりました。4位には昨年総合優勝のスペインが76ポイントで続いています。

シーズン5も残すは11月29〜30日にUAEで開催されるアブダビ大会のみとなりました。同大会のフリートレースで最終的な総合順位が確定し、その後に上位3艇によるグランドファイナルレースが行われます。

スウェーデンのドライバーにアウターリッジ

なお、来季シーズン6から参戦するチームスウェーデンのドライバーにネイサン・アウターリッジが就任することが発表されました。オーストラリア人のアウターリッジはシーズン1~3にチーム日本のドライバーを務めたことで知られ、日本が撤退した後の昨シーズンは途中からスイスのドライバーとなりました。今季は参戦していなかったために、うれしい復帰のニュースとなりました。

アウターリッジと言えば、昨年の第37回アメリカズカップで3連覇を果たしたチームNZでポートサイドヘルマーを務めてもいました。チームNZの4連覇がかかる次回第38回大会ではピーター・バーリング代わってスキッパーとなることが決まっています。

華々しい戦績を誇るバーリングがチームNZを離れる理由として、セールGPの負担との兼ね合いがあったと発表していただけに、アウターリッジが新たにセールGPに関わるのは釈然としない面もあります。バーリングは第38回大会でライバルのルナロッサ(イタリア)に関与するとされていますので、このあたりの「ヨット政治」からも目が離せなくなりつつあります。

にきお

50歳(ちょっと手前)の2023年2月からニュージーランドのオークランドで生活しています。大好きなラグビーとセーリングの話題のほか、気になったニュースなどおじさんが見たキーウィ生活のリアルをお届けしています。
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