ヨットレースのセールGPのシーズン5第5戦、サンフランシスコ大会が現地の3月22、23日に開かれました。不調続きながら前回のロサンゼルス大会で2位に入り、復調の兆しを見せていたチームニュージーランド「ブラックフォイルズ」でしたが、今大会は調子が上がらずに5位に終わり、再び決勝レース進出を逃しました。優勝は昨季王者のスペインでした。
デンマーク間に合わず、11チーム
セールGPは双胴艇(カタマラン)のF50を使用する国別対抗戦で、フォイリングによる高速レースが醍醐味になっています。5シーズン目の今季は新たにブラジルとイタリアの2カ国が加わり、計12チームが計14大会で頂点を目指します。
今季第1、2戦は、艇の準備が間に合わなかったフランスが出場できず、第3戦はアメリカ艇が練習中に横転してウィング(メインセール)にダメージを受けたために出場できず。第4戦のロサンゼルス大会でようやく12チームが出そろいましたが、第1レースでデンマークがマークと接触してフォイルを破損し、出走できなくなりました。デンマークは、インターバルが1週間しかなかった今大会も修復が間に合わず、参加は11チームとなりました。
ピーター・バーリングが率いるチームNZは昨シーズン、圧倒的な強さでレギュラーシーズンを首位で終えたものの、年間総合ポイント上位3艇による決勝レースではスペイン、オーストラリアに敗れて3位に終わりました。悲願の初優勝を狙う今季は初戦のドバイ大会で優勝を飾り、幸先よく地元オークランド大会を迎えました。
しかし、オークランドでは惜しくも4位で決勝レース進出を果たせず、続くシドニーでも初日に2度最下位となるなど調子が上がらず、8位に終わっていました。一方、先週のロサンゼルス大会ではフリートレースを首位で終え、決勝レースで2位に入って復調の兆しを見せていました。
同じカリフォルニアでの大会で、調子を維持して臨みたいブラックフォイルズでしたが、サンフランシスコはこれまでの年間決勝レースの地で、昨年も敗れて3位となるなど、あまりゲンのいい場所ではありませんでした
初日から「ゲンの悪さ」
その「ゲンの悪さ」は初日から感じられる大会となりました。
風は時速20~30キロとまずまずのコンディションで、各レース6レグで行われました。NZは第1レースのいきなり風下のイギリスに追い出される形でスタートが遅れ、最後尾で第1マークを回ります。
その後は着実に順位を上げて奇跡的なカムバックを見せ、4位でフィニッシュとなりますが、続く第2レースも今度はアーリースタートのペナルティを受けるフランスに押される形で再び出遅れ。先行艇のペナルティなどもあって一時は4位となりますが、調子をキープできず、8位に沈みます。
NZは続く第3レースも後方からのスタートとなり、6位でフィニッシュ。この日の最終第4レースでようやく4位でスタートを切り、先行するアメリカの操船ミスで3位に入ります。この日最高位となりますが、先行するカナダやフランスをとらえ切ることができず、消化不良となります。
波に乗れないNZでしたが、スキッパーのバーリングは初日のレース後、途中で艇に積んでいるモニターが映らなくなるトラブルに見舞われていたことを明らかにしました。ポイントでは前大会優勝のカナダとオーストラリアが先行し、フランスとNZが3位のスペインを6ポイント差で追うことになりました。
最終レースでようやく一矢
2日目も同じ時速20~30キロの風が吹きますが、霧模様のやや不吉な天気となりました。
フラックフォイルズはそのいやな感じのまま第5レースに臨み、中位でスタートしながらレース中に後退するという、らしくない展開に。最終的に8位となり、この段階で決勝レース進出はほぼ絶望的になります。
続く第6レースでは好スタートを切りますが、第1マークはスペインが先行。さらに途中でオーストラリアに抜かれて波に乗れず、3位でのフィニッシュとなります。
ブラックフォイルズはようやく最終第7レースに本領を発揮します。スタートから首位を守り切って、今大会初勝利を挙げますが、時既に遅し。NZは今大会を総合5位で終えることになりました。
むしろ関心は、このレースのスタート直前にウィングが折れるという大惨事に見舞われたオーストラリアに移っていました。オーストラリアはここまで今大会総合3位でしたが、当然決勝レースには出走できません。そこで、上位2艇のスペイン、カナダと、オーストラリアと1ポイント差の4位だったフランスが決勝レースに進むことになりました。
王者スペイン、今季初V
決勝レースでは、霧が濃くなる中、フランスが好スタートを切ります。しかし、3番手でスタートしたスペインが第3レグで残り2艇とは別のコース取りをして一気に首位に躍り出ます。スペインはそのまま今季初優勝を飾り、2位は全大会優勝のカナダ、フランスは3位に終わりました。
これで今シーズンは5大会を終えていずれも違うチームが優勝するという結果になっています。総合順位もオーストラリアが今大会振るわなかったイギリスに代わって首位になりますが、4位のNZまでの差がそれぞれ1ポイントずつという混戦模様です。
次回大会は1カ月以上のインタバール経て5月3、4日に初めて南アメリカで開催されるリオデジャネイロ大会です。今シーズンから参戦しているマルティネ・グラエル率いるブラジルの活躍にも期待がかかります。




