クルセイダーズ、POに望みつなぐ

スーパーラグビー第14節のニュージーランド勢 ラグビー

2024スーパーラグビー・パシフィック第14節で、クルセイダーズが首位ブルーズを29ー27で破る「番狂わせ」を演じました。8位のフィジアン・ドゥルアがハイランダーズに3-39で敗れたため、クルセイダーズとの勝ち点差は2ポイントとなり、クルセイダーズは次週の最終15節での上位8チームによるプレーオフ(PO)進出決定(と8連覇)に望みをつなぎました。

一方、2位ハリケーンズは4位チーフスを20ー17で降し、ブルーズと勝ち点で並びました。また、最下位争いとなったモアナ・パシフィカとワラターズの一戦は、モアナが27ー12で今季のホーム最終戦で勝利を飾りました。

首位ブルーズ相手に「番狂わせ」

前節は曰くつきのペナルティトライでブランビーズに屈し、その後はロブ・ペニーHCの失言問題もあって、最悪の雰囲気で今節を迎えたと言っていいクルセイダーズでしたが、クライストチャーチの本拠地にはナイターにも関わらず、ほぼ満員のファンが詰めかけました。この大歓声が、負ければPO進出がなくなる背水の陣となったチームの後押しとなったことは間違いありません。

試合開始早々に今季2度目の先発出場となったSOファーガス・バークが比較的簡単な位置からのPGを外して先制機を逃すと、逆にブルーズにPGで先制されて嫌な雰囲気が漂いますが、FLイーサン・ブラックアダーのトライですぐに逆転に成功します。その後ブルーズに連続トライを許しますが、前半終了間際にゴール前のペナルティでキャプテンのHOコーディ・テイラーの好判断でクイックタップから回してトライを返し、いい雰囲気で折り返します。

後半もブルーズのFBスティーブン・ペロフェタが故意のノックオンでシンビンとなる数的優位を得ながらブルーズにトライを許して突き放され、嫌な雰囲気になりますが、そこから連続トライで逆転。最後にブルーズにトライを返されて2点差に迫られますが、何とか逃げ切り、今季3勝目を挙げることに成功しました。

どちらに転んでもおかしくない辛勝で、ブルーズはSOハリー・プラマーのキックの調子があまりよくなく、外したコンバージョンのうち一つでも決めていれば、という点差でしたし、さらに終盤のペナルティキックがノータッチになったミスも痛恨でした。それにしても、クルセイダーズはこの試合、かなり前がかりのディフェンスをしていて、それがブルーズにプレッシャーとなっていました。

また、ここに来てクルセイダーズはオールブラックス(AB)の選手をはじめ駒がそろってきたのが効いてきていたのも確かで、テイラーは相変わらずチームを引っ張っていましたし、けがから復帰したブラックアダーも攻守ともに大活躍でした。何より司令塔バークが特に後半の追い上げ、逆転の場面で光り、キックパスやランによる抜け出しでトライを演出しました。

強力スクラムで自信と安定感

ただ、それ以上にクルセイダーズの勝因となったのはスクラムです。特に、ともにABの3番フレッチャー・ニュウェルとその交代要員のタマティ・ウィリアムズは強力で、今季はスクラムにも定評があったブルーズを終始圧倒します。スクラムが強いと即ペナルティ獲得につなり、言うまでもなく試合を優位に進められるうえ、何よりチームに自信と安定感をもたらします。

そのようなスクラムで自信を強めているチームの代表例が今季のモアナだと思います。今節もワラターズを押し込みました。おそらくレフェリーの個性の問題だと思いますが、上記のクルセイダーズに比べて押し勝っていた割にペナルティを取ってもらえなかった印象があったものの、今季4勝目となる勝利の原動力となったことは間違いありません。

ただ、この試合のモアナの勝因として忘れてはならないのはフルバックで先発したカイレン・タウモエフォラウです。トンガ代表の若手のホープで、これまでもチーフス戦などで活躍していましたが、この日も華麗なステップでディフェンスをかわして先制トライを挙げたほか、オフロードパスで次のトライも演出。さらにパントキャッチからチョコパンを繰り出すなど、実況が「シルキー」と称したような滑らかな動きを見せました。すごい選手が現れたものです。

引退のケプ、ホーム最終戦でトライ

逆にベテランでは、今季限りで現役引退を表明したワラビーズ110キャップのPRセコペ・ケプが交代出場直後にトライを決めました。この試合がケプにとってはホーム最終戦で、自身の子どもたちともにグラウンドに入場するセレモニーもあっただけに、とりわけ感動的な場面となりました。

このように見どころも多く、何より今季のモアナの強さが遺憾なく発揮された試合でしたが、残念ながらこの日も午後4時半キックオフと比較的早い時間の試合だったにもかかわらず、会場のマウントスマート・スタジアムの観客はまばらでした。財政難からチームの存続が危ぶまれているモアナですが、参戦3季目の今季は着実にチームがビルドアップしてきたのが見えましたし、スーパーラグビーの多様性の観点からもなくすのは惜しいチームです。

さて、最終15節はどちらもPO進出をかけてクルセイダーズとモアナ・パシフィカが対戦します。

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